『心臓病』について
心臓病とは

日本人の死因別死亡数を見ると、第1位はがん(悪性新生物)、第2位は心臓病(心疾患)、第3位は脳血管疾患であり、この3つの疾病で全体の約6割の方が亡くなられております。心臓病は昭和60年に脳血管疾患に代わり死亡原因の第2位となり、その後も増加を続け、近年では約16万人の方が命を落としています。その中でも特に増加傾向にあるのが、「虚血性心疾患」といわれる病気です。

 心臓は血液を受取り、送り出す「ポンプ」の役割をしています。その心臓も働くためには酸素や栄養が必要です。心臓へ酸素や栄養を運ぶ血管は、心臓の回りを王冠のようにめぐっていることから、「冠動脈(冠状動脈)」と呼ばれています。
 この冠動脈が動脈硬化などによって詰まったり狭くなったりすると、心臓に十分な酸素や栄養が行きわたらなくなり、胸が痛くなり発作を起こします。これが「狭心症」や「心筋梗塞」です。心臓が虚血状態で起こることから「虚血性心疾患」といいます。
 虚血性心疾患が増加している背景には日本人の食生活の欧米化があります。高カロリーや高コレステロールの食事が多くなるにしたがって、動脈硬化が進行し、高血圧症、高脂血症、糖尿病、肥満などの原因がそれを助長します。またストレス社会の進行や運動不足なども原因の一つと考えられています。
 欧米諸国では虚血性心疾患を中心とする心臓病が死因の1位を占めている国も多く、日本においても今後さらに増加していくものと予想されます。
狭心症
 「狭心症」という病気は、心臓の表面にある冠動脈という血管が動脈硬化などで狭くなり(狭窄)、血液の流れが悪くなったり、冠動脈が痙攣が起こることにより、必要な量の血液を心臓の筋肉に一時的に送れなくなるため、坂道や階段を登った時などに胸の部分が締め付けられるような痛みに襲われる病気です。冠動脈の血液の流れが不充分になると、血液が行き渡らなくなり、心臓自体が酸素や栄養不足になってしまいます(虚血)。心臓が本来の「ポンプ」の役割を果たすためには、この冠動脈に充分な血液が流れていなければなりません。血流を再開させる治療をすることが重要です。
心筋梗塞
 「心筋梗塞」という病気は、冠動脈が完全に詰まることにより、心臓の筋肉(心筋)に血液、酸素、栄養が流れなくなり、その部分の心筋が死んでしまう病気です。「狭心症」と同じように動脈硬化により冠動脈が狭くなることが基礎となっていますが、さらに、心筋梗塞の場合は、血液の塊(血栓)が冠動脈を完全に詰まらせてしまうので(閉塞)、心筋に栄養を送っているそれより先の心筋細胞が死んでしまう(壊死)病気です。「狭心症」が進んだ段階と言えます。一度壊死した心筋は二度と再生することはありません。そのため、できるだけ早く冠動脈を再開通させ、できるだけ多くの心筋を助けることが重要です。