“顕微鏡”を体内へ


 OCT技術(Optical Coherence Tomography)は、約1,300ナノメーターの近赤外線を用いて血管や組織の断層画像を得る新しい次元の超高解像度画像技術です。OCT技術は、マサチューセッツ工科大学が基本特許を持っており、これをあらゆる分野に応用するライセンス契約を、ライトラボ・イメージング社は1998年に締結し、商品化の研究開発を続けてまいりました。
 近年の技術革新による光ファイバー微小化技術にともない、0.006インチの微小光学レンズの開発、および光ファイバー使用のカテーテルの開発にライトラボ・イメージング社が成功し、“顕微鏡”を体内へ持ち込むことに成功いたしました。

精密な診断、精密な治療

現存するデバイスではIVUS(血管内超音波)がその目的や機械的構造、画像描出方法等で最もOCTに似通っていますが、両者の性能を比較してみると、解像度がIVUSの約8倍から10倍と飛躍的に向上しております。
 これにより、血管内の病変診断や、癌化細胞をバイオプシー(生体標本)摂取することなく即時に診断することができるようになりました。また、診断において、体に大きく傷を付けることがないことから、患者さんの肉体的負担も少なく、医療費の抑制にも貢献する技術であります。

IVUSによる画像

OCTによる画像

不安定プラーク
 バルネラブルプラーク(破裂しやすい病変)はその脆弱さから、さまざまな内因、外因で破綻し、急性心筋梗塞や急性冠症候群などを引き起こす非常に重篤な病態です。以前から、その検出に大きな関心が寄せられていながらも、現在の検査機器での検出は困難であるとされています。主にバルネラブルプラークはリピッドコア/ネクロティクコア(液状の内容物)の内腔側に65μメーター未満の薄いファイブロスキャップ(薄い皮膜)が覆っているものとされており、この薄いファイブロスキャップの検出が今までの検査機器では困難でしたが、OCT診断装置により、発見が可能となりました。
バルネラブルプラークの構造






左に掲げた図の上側が、血管の内腔とした場合、黄色であらわされるのが液状の内容物で、それを覆っているのがファイブロスキャップ。
解剖による血管の切断面
OCTによる診断画像
今までの検査機器では検出が不可能であったファイブロスキャップ(薄い皮膜)が、OCTの超高解像度により鮮明に表示されているのが見て取れます。
検査医療の未来へ
 疾病の発生は分子、細胞の微小レベルから始まります。従来の画像診断は組織、臓器の異常レベルしか検出することができなかったので、早期診断、治療の時期を逃していました。今後は、OCTの超高解像度画像を利用した精密な診断、それに基づく適切な治療法の選択、治療薬の病変への直接デリバリーなど、全く新しい治療法の開発が期待されています。
OCTによる画像
顕微鏡写真
 循環器分野におけるOCT技術を使った画像診断のマーケットは日本で約150億円、世界で約450億円のマーケットがあると予想されています。そのほか、広範囲な応用の可能性があります。